日本の大学は787校を数える(4年制)。この先も文部科学省は新設の大学設置を認可して行くので、このまま新設大学を認可し続ければ、800校を超えて行くことになる。
以前より2007年問題、2009年問題と言われ、いわゆる大学全入時代が来る、子どもの数は減って行くことが予想されていたのに、どうして大学をこんなに増やして来たのか。それは今後、大学進学率が高まり大学生数が増えると考えていたからである。この先、文部科学省が新設の大学を認可していけば、この少子化が進んでいる小さな日本に800以上の大学が存在するようになる。先進国日本の次に人口が多いドイツ(8,100万人)でさえ約400大学しかない。
なぜこのようなことが起こっているのだろうか。その理由は全般的に日本が裕福になり大学に行かせる経済的余裕ができたと言うことが大きい。そして、日本の産業構造や、社会構造が大きく変わって来たことにもよるのだろう。『大学さえ出れば、いい就職ができる』と思い込んで来たからでしょう。
<学校教育に何を求めて来たのだろうか>
現実問題として、最高学府に子どもたちはどのような夢や希望を持って進んでいるのだろうか。一部学生を除いて、目的もなく就職まで4年間の猶予施設とでも思っている学生が多いのではないだろうか。親も小さい時から受験を想定し熱心に塾などに通わせ、大学に入れることに熱を上げて来た。幼稚園の頃から、受験・受験を強いて、良い小学校に入れる為に、その先は良い中学校に、良い高校に、そして最終目的は良い大学に入れる為にと。
しかし、その後のこと(大学卒業)は全く子どもと共有できていないのではないのだろうか。
『日本の大学は入るは難しいが、卒業はところてん方式で誰でも卒業出来る。』と諸外国からは揶揄もされている。欧米、先進国も含め、どの大学に入ったのではなく、そこで何を勉強して来たのかと言う実質的なスキルが求められる。大学4年間は猛烈に勉強しないと卒業出来ないシステムになっている。この世界の環境の中で、日本の大学生は諸外国の若者を相手に本当に戦っていけるのか疑問である。
<世界に通用する質の高い大学造りが必要>
日本の公共教育は明治維新以来、北は北海道から南の沖縄まで、諸外国に例を見ないほど公平で厳格で緻密な教育システムを培って来た。他国が真似の出来ない、この教育システムを土台に、これからは、ただ大学を増やすのではなく、質の向上へと大学教育を今一度見直すべきであろう。数より質、世界を視野に入れ社会にいろいろな分野で貢献出来る強い大学造りを目指す必要が急務ではないのだろうか。
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