COLUMN

コラム

2022.09.10

新しい学校支援活動 PTO(Parent Teacher Organization)

昔から当たり前のようにPTAの活動があった。どこの学校にもPTAがある。しかし、「日本PTA全国協議会」から東京都のPTAが脱退したというニュースが駆け巡った。私は30年以上に及んで微力ではあるが「日本PTA全国協議会」を応援、支持してきた。全国の子どもを持つ親がボランティアで子どものために活動を続けてきた。「日本PTA全国協議会」歴代の会長をはじめ、多くの役員の方々の血の滲むような活動を目の当たりに見てきた。なので、とても残念な思いである。東京都の動きは今、全国に広がりをみせているようだ。

PTAの歴史は、1947年に始まる。アメリカのGHQだけでなく極東委員会も「日本教育制度改革に関する指令」を定めてPTAは戦後の民主主義教育推進のためにも有効であるとし、全国にPTAの設置を推奨した。
東京都のPTAは、なぜ「日本PTA全国協議会」を脱退することになったのか。たくさんの要因はあると思うが、一つに社会全体が大きく変動し、家庭の生活スタイルの変化が大きな要因ではないかと私は思っている。
昔から、4月新学期になりPTAの役員決めがなかなかまとまらないという話を聞く。誰も手を上げないと言う。なぜだろう。今、子どもを持つ世代の親のフルタイムの共働き率はどの調査でも6割以上にのぼっている。両親ともに働いていることが当たり前の社会になっている。保育園や学童保育に通う子どもたちも増加の一途である。PTAに関わりたくても関わる時間がないのである。また、PTAはボランティア活動であるはずなのに、役員になると強制的な側面を持たされてしまっていることもあるようだ。

先日、先輩から「アメリカにはPTA(Parent Teacher Association)とPTO(Parent Teacher Organization)という組織がある。」と聞いた。アメリカのPTAは日本と少し違い、全国に支部を持つ非営利の特定団体。家族単位や学校単位でこの団体の会員になると、いろいろな子育て支援のサービスが得られるという特典があると言う。一方、PTOはそれぞれの学校で独立した保護者によるボランティア団体。全米PTA団体には未加盟。「できる時に、できる親(人)が、できることをする」。各活動はお互いに呼びかけて(今はSNSなどで)ボランティアを募りながら運営するという。
親だから子どものために何かしてあげたい気持ちは皆持っていると思う。私は今のPTA活動にこのPTO活動基本精神「できる時に、できる親(人)が、できることをする」を取り入れたならば、これまで苦労して作り上げてきたPTA活動に役に立つのではないかと思う。日本でもこのPTOの活動が徐々にではあるが、広がりを見せているという。先日NHKでも取り上げられたと聞いた。社会は常に変化を続けている。PTA活動も踏襲主義を脱ぎ去り、社会の変化に対応できる組織体に変化させてはどうだろう。私もこれからだが、少しPTO活動を取材し、勉強してみたい。

お問い合わせ

CONTACT

TEL 03-3237-9801

10:00~17:00(土日祝祭日は除く)