2010年ごろ、新聞の一面に先生の欠員が埋められないという見出しが躍った。先生の産休や病休の代わりの先生がいないとあったと思う。その時は規模もわからず、そうなのかなとの疑問だけで済ましていた。
2ヶ月前だっただろうか、久しぶりに新聞で公立の教員不足の実態調査の記事を読んだ。実数が記されていたので各都道府県、教員採用に苦慮しているのだなとも思った。各都道府県の定員に対する倍率が1.1倍とか1.2倍のところが多く、今は教員が憧れの職業の一つではなくなったのだと悟った。
そして先日書店で『先生が足りない』という本が目に止まり、じっくり読んでみた。すると、その深刻さに恐怖心さえ覚えた。その時、以前に先生の欠員が埋められないという記事を読んだことが蘇った。
公立の正規雇用の教員も非正規雇用の教員も、教員免許は持っている。
長年、教育関係の仕事をしているが、「先生が足りない」と言うのは正規教員が足りないと思っていた。しかし、正規教員ではなく非正規教員が不足していることなのだと初めて知った。考えてみれば、公立の正規職員は何か問題を起こさない限り、クビになることはない。だから、教員数が減らないのは当たり前のことだ。産休や病休での休みも当然のことながら認められている。そのしわ寄せは、学校内の教頭先生や他の学年の先生に委ねられて来た。しかし、それにも限度が生じ、非正規教員を配置するという構図になっている。本来なら各教育委員会が先頭になって、この問題を解決して行っているものと思い込んでいた。しかし、非正規教員の登録者が増えず、この問題に対応できていないことが現状であることも知った。現段階では各校長先生方に、退職者も含め非正規教員を探してほしいと依頼している始末とある。
団塊世代の先生が大量に定年を迎え、若い正規教員数が増加した。結果として産休や育休を取得する教員数が増加し結果、非正規教員の需要が高まり急務になった学校の現状がある。先生が足りないことで小学校含めクラス崩壊につながっていると筆者は語っている。一番可哀想なのは児童や生徒であろう。
ここでは細かく説明できないが、なぜ正規教員や非正規教員の登録を敬遠するのだろうか。やはり、このところ問題化されている先生の働き方改革が進んでいないことが大きな要因ではないだろうか。私は前から言っているが、先生は「教える」のが仕事であって、後の雑務は先生の仕事ではないと。近年はいじめや不登校など色々な問題が都度マスコミに大きく取り上げられる。教育委員会は問題だけでなく指導含め、責任を逃れ、アリバイ作りのためなのか色々なことを先生に強いて文書化させている。そのため事務作業が膨大になったと聞いている。先生にはもっと楽しい、わかりやすい教材研究に時間を取らせてあげてほしい。被害を被るのは子どもたちであるからだ。
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