COLUMN

コラム

2025.01.10

「教育を見直す」良い機会に。

この正月休み、私はやりたいことがあった。読書三昧の生活。読みたかった本を徹底的に読む。全部読む。他の方から見れば、本を読む事など日常の日常、くだらん事に見えるかもしれないが、私はこの数年この生活ができなかった。自分でも分からないが、何かを学びたいという一種の強い欲求が湧き上がってきたのかもしれない。
介護施設で働く友人が同じ職場で働く外国人は日本にいる間に仕事以外のことを一生懸命勉強していると話していた。語学やファッション、文化など、休みの日には講習会にまで出かけ、そのアクティブさや努力に驚いていると言っていた。近いうちに日本人はこの人達に負けてしまうのではないかと強く思ったと言う。
そんな折2023年パーソル総合研究所が実施したデータを見る機会があった。仕事以外で学習、自己啓発など何も行なっていない人の割合が最も高い国が53%ダントツで日本であった。2位のオーストラリア29%、3位スウェーデン28%。逆に行なっている国トップは、インド3.2%、次がベトナム3.6%、インドネシア5.4%、フィリピン5.6%と東南アジアの国々が続いていた。日本は人口が減っているのに学ばない。それに比べ、アジアの各国は学んでいる人がこんなにも多くいることに驚いた。まだ、自分の国が途上国であるから、必然的に自分の未来への投資が必要であり、武器になるという事を知っているのだろう。経済発展を遂げ始めた以前の日本人の姿がここにあると思った。

通勤電車に乗ると昔は新聞や情報雑誌など読み、多くの情報を取り込み、自分なりの学習、自己啓発へと繋げるのであろう姿を多く見かけた。しかし、最近の通勤風景は様変わり。ほとんどの人がイヤホンを着け、携帯でゲームや動画を見ている。世代の違いなのか、この光景が学習、自己啓発などに繋がるとは到底思えない。「娯楽」の延長にしか見えない。幼稚園・小学校から始まり日本人はかなり多くの学習をしてきたはずである。世界を見れば学校に行けない子どもや若者が億単位で居る。世界に誇れる教育環境、社会環境に超恵まれているこの国なのに、この有様である。自己啓発を意識すれば、その環境は世界でもトップクラスのはずである。これからの日本を憂いてならない。あの日本はどこに行ってしまったのか。
そのせいもあるのか経済大国日本はいつの間にか、その地位を奪われ順位を落とし始めている。「苦学生」などという言葉は死後になり、苦労せず「楽して、・・・」的な風潮がどの局面でももてはやされているように思える。このような風潮が子ども達に伝播して行くのが怖い。年始に当たりもう一度、「教育とは」を見直してみたい。

※パーソル総合研究所 「グローバル就業実態・成長意識調査 -はたらくWell-beingの国際比較」2023/4/12
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/assets/global-well-being.pdf

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